皆さん、こんにちは。
ポジティブ心理学博士 山口まみです。
ふと出くわす度に、のど元に魚の骨がひっかかっているように感じる言葉があります。
そのある言葉とは、
『ポジティブシンキング』(positive thinking)
ポジティブシンキングとは、端的に言うならば物事をポジティブに(前向きに、明るく、楽観的に)考える、ということです。
一般的にも、落ち込んでいる人がいたら、「もっと明るく考えなよ!」とポジティブシンキングがよく奨励されます。
そして、ポジティブシンキングを行うことが、ストレスや落ち込み(鬱)を減らし、体の免疫力を高め、寿命や体の健康にまでつながっている、という研究結果まで出ています。
でも、果たしてどれだけの人が、常にポジティブシンキングを行うことができるでしょうか?
あるサイトには、ポジティブシンキングを行うためのテクニックとして、
といったものがあげられています。
確かに、これらが日頃から出来れば、ポジティブシンキングが身につくでしょう。
でもね、でもね。。。
そんなテクニックや、常に明るく前向きに考えるということが、果たして本当にできますか?
ってことなんです。
もちろん、ポジティブな思考自体はネガティブな思考よりはずっといいものです。
しかし、ポジティブシンキングをよしとする姿勢は、逆に自分を
「ポジティブシンキングの罠」に陥れてしまうものです。
なぜなら、日々私たちが直面する様々な状況下において、いつも「ポジティブシンキング」を貫くことも、上記にあげられたようなテクニックを継続することも不可能だからです。
そして、そんなときに「ああ、やっぱり私はポジティブに考えることが出来ないんだ!意志の弱い人間なんだ!」と、自分を責めてしまうという逆の結果を生み出すことになりかねません。
でも、ここでの本当の問題は、本人(の意志力)の弱さにあるわけではなく、不可能なことをやろうとしていること自体に問題があるのです。
私が皆さんに大切にして欲しいのは、ポジティブシンキングではなく、『ウェル・ビーイング(私たちが元々持つ心の健康と幸せ)』をしっかり取り戻すことです。
そのためには、以下を含む「心の原則」への理解が必要になります。
自分が思考の作り手であって、その思考が自分の気持ちを生み出していること
思考は単なる思考であって、それが真実ではないこと
私たちは常に思考の選択肢をもっていること
例えば、ネガティブな思考が生まれたら、「これは単なる思考であって真実ではない。今は考えなくていい」という風に、その思考を一旦手放すようにする。
他のことに意識を向けて、ネガティブな思考を深追いしないようにする。
(自分が体験した嫌な出来事を人に繰り返し話して聞かせる行為は、まさしくネガティブな思考の深追いです!)
そうすると、私たちの中に元々あるウェル・ビーイング(健康的な心の働き)が戻り、智恵や洞察が自然と湧いてきて、気持ちは自然とよくなっていきます。
実のところ、様々な理論やテクニックを駆使して、努力して「ポジティブでいる」必要はないのです。
「こころの働き」の原則をしっかり理解して、自分の思考との新しい関係を築いていくことができれば、もう自分の思考と感情に必要以上に振り回されることはなくなります。
ポジティブシンキングではなく、「ウェル・ビーイング」(本来の心の幸せと健康)をしっかり自分の中に取り戻すこと。
それが何よりあなたの幸せを決定しています。
ぜひ、そのことを覚えておいてくださいね。
ポジティブ心理学博士
山口まみ
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