トラウマ、ストレス、愛着形成について学べば学ぶほど、心の傷(トラウマ)を全く受けていない人などこの世にいないということが分かるようになりました。
トラウマ(心的外傷)というと、一般的に自然災害が引き起こす人的被害によるトラウマや幼児虐待やネグレクトによるトラウマといった大きな出来事や体験を考えがちです。
けれども実際には、子ども時代に体験するトラウマには2種類の原因があります。
1つは「起こるべきでないことが起こった場合」。
これには虐待(心理的、肉体的、性的)やネグレクト、家庭内暴力などが該当します。
もう1つは「起こるべきことが起こらなかった場合」。
これには愛着形成の欠如や不足が該当します。
愛着形成とは子どもと子どもの世話をする大人(主に母親、父親など)との間に結ばれる愛情と安全安心感に満ちた絆を指します。
子どもは大人との安定した愛着形成を通じて、外の世界を学び、自分自身や自分を取り囲む人たちを理解していきます。
また未発達の脳で生まれてくる赤ちゃんは、自己調整、特に感情の調整能力を大人のケアを通じて獲得していきます。
言い換えると、不安、恐れといったネガティブな感情を鎮めることをサポートしてくれる大人の存在があってはじめて、子どもは自分の昂った感情を鎮めることができる脳を発達させていくのです。
昂った感情が脳を支配していると、私たちは新しい世界を探求したり、何かを学習したり、人との関係性を深めていくことができません。
だからこそ感情の波を調整できる脳を育てていくのは、人間の健全な発達にとって大事なことなのです。
強い感情に圧倒されずに、内面のバランスを調整できる脳と心を養っていく鍵は、「愛着形成」が握っています。
この愛着形成は、植物でいう根っこの部分にあたり、植物が健やかに大きく成長していくためには深く広がった根が必要なように、人間にも愛着形成という豊かな根っこが心身と脳の健全な発達のために不可欠です。
そのため、この愛着形成が充分でない場合には、子どもの頃に繰り返し体験した感情(不安、恐れ、悲しみ、寂しさ)などが、大人になっても無意識に根付いたままで、何かの引き金によりそれらが突然表に出てきたりします。
大人になったあなたが抱える様々な心理的または健康上の問題は、子ども時代に受けた未解消の心の傷(トラウマ)が原因となって引き起こされているケースが多々あります。
そのため問題を解決、解消、または克服していくためには、まずそのルーツにあるトラウマの存在に気づき、自己への理解を深め、それを癒すための働きかけが必要です。
今回の動画では、社会でも未だにしっかり認識されていない「心の傷(トラウマ)」とそのルーツについてお話をしています。
当動画があなたの内面への探求を促し、自分へ愛情と思いやりを向けて、自身との新たな関係性を築いていくきっかけとなれば幸いです。

研究の結果、瞑想トレーニングは昂った感情や衝動を鎮める脳の部位を発達させることが明らかになっています。
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