震災後のメンタルケア:回復のプロセス

こんにちは、ポジティブ心理学博士 山口まみです。

当ブログをご覧いただき、ありがとうございます。

震災から1ヶ月以上が経とうとしているとは、何だか信じられない思いです。

地震が起こってから時間の流れ方が大きく変わりました。

震災直後は何も手につかず、思考力、集中力、発想力といったものを突然失ってしまったように感じたものです。

時の経過と共にそれらは少しずつ戻ってきましたが、震災による生々しい爪痕を町のあちこちで見かける度に、自然を目の前にすると人間がいかに無力であるかを実感します。

そして、自分がこれまで当たり前のように享受していた生活が、実のところ「当たり前」ではなかったのだということも。

そんな中、先週の土曜日まで2週間という短い期間でしたが、International Medical Corps(IMC)という災害・人道支援のNPOで働かせていただきました。

IMCで働くスタッフや彼らの家族&友人のメンタル面での相談を受けたり、メンタルケアに関するレポートを作成したり。。。

避難所を回り、そこで避難者の方々の健康状態を医師と共にチェックしたり、話を聴いたり、段ボールベッドを設置したりと様々な業務に携わらせていただきました。

またその間に、いつもお世話になっているPrivate lodge cafe&dinerさんでマクロビご飯を囲んで「心のケア&サポートワークショップ」を行ったり、熊本ロータリクラブでメンタルヘルスに関するお話をさせていただいたりという活動をしていました。

メンタルケアという観点から改めて気づかされたのは、「人の心には常に健康と幸せに向かおうとする力が働いている」ということでした。

私たちは誰しもwell-being(心の健康と幸福)を備えて生まれてきます。

現状がどうであれ、私たちの中にはそのwell-beingに戻ろうとする力が働いています。

まずは自分の中にあるその力を信じてあげることから、回復へのプロセスがスタートします。

震災のショック(トラウマ)を受けた私たちの心には様々な変化が訪れます。

それは喪失感、悲しみ、怒りであったり、周りの人を助けたいのにそれが出来ないという無力感、何もやる気が起きないという無気力感であったりします。

でも、そんな気持ちを否定したり批判せずに、「そう感じていいんだよ」「その気持ち、よく分かるよ」と寄り添ってあげることで、気持ちは随分解放されます。

また心と体のつながりを活用して、体に働きかけることも効果的です。

動揺している心と体は、意識して深くゆっくりとした呼吸を続けることで自然と落ち着きを取り戻すことができます。

また、ストレッチ、ヨガ、体操といった筋肉を収縮&弛緩させるエクササイズを行うと、全身の血流がよくなり体と心のリラックスにつながっていきます。

そうして心の状態が落ち着いてからはじめて、自己の内面を冷静に振り返る(内省する)ことが可能になります。

そこで思考に働きかけて状況の捉え方を見直したり、自分がコントロールできることにフォーカスするという意識の使い方を整えることが少しずつ出来るようになります。

心を回復させるには、このプロセスを焦らず慌てず「ゆっくり」行っていくことが大切です。

大変な衝撃を受けて落ち込んだ状態から一足飛びにエネルギー溢れる状態に戻ることは出来ません。

自分を労りながら、一歩ずつその日できることをやっていく。

復興への道のりはまだ始まったばかりです。

気長に根気よく新しい未来へむけて進んでいきたいと思います。

山口 まみ 拝

追伸、
今週の日曜日は娘の小学校の運動会です。地震後はしばらくの間、休校となったこともあり運動会の練習も十分に行えないままの本番となります。今回は「小運動会」として、通常のプログラムを短縮して開催されるようです。それでも、子ども達の一生懸命に取り組む姿を見て、私たち大人が一番元気&勇気づけられるのだろうなと思います。